日常ツバメガエシ

スポーツ観戦好きの諸々スポーツ話

2024ジャパンパラ車いすラグビー競技大会in千葉ポートアリーナ(1/29記載)


行ってきた。
今回は代表の強化試合的な意味合いなのかな。
なので、今回の日本代表は若手を中心にしている感じで、対戦相手はドイツとブラジル。最新の世界ランキングを拝見するとドイツが9位でブラジルが11位。いずれもパラリンピック出場権は得ていない様子。ちなみに日本は世界ランキング3位でパラリンピック出場権ゲット済。
というか、ヨーロッパの予選結果がよく分からんのだが…。パンアメリカはアメリカが優勝して出場権ゲットの様子。
なお、主催は日本パラスポーツ協会(日本車いすラグビー協会は協賛)。前回拝見した時のように、キッチンカーが出ていたりとかはしていない。千葉ポートアリーナの近所にコンビニがあって良かった…。
あ、ちなみに写真はOKだった。動画も条件つきでOKらしいよ。

この日は最終日。ここまで日本代表は全勝していて、2位がブラジル、3位がドイツ。

で、この日の試合は第1試合、3位のドイツと、日本のクラブチーム選抜との対戦。
クラブチーム選抜と言っても、今回メンバーから外れてるけど日本代表の島川・羽賀・若山選手はこちらで出場。で、実際、3選手が出ている時が一番強いメンバーであるのは分かる。
しかも3選手でポイントが6.0*1なので、もう1選手に2.0のミドルポインターを出せる。ここに入れていたのが堀選手。こちらも日本車いすラグビー連盟の強化指定・育成選手のひとり。
ハイポインターである島川選手に相手のマークが集まると、羽賀選手と堀選手でパス繋いで突破してしまったり、
相手がゴール前*2に集まって守備を固めていると、堀選手が突進して相手を引きつけ&スペースを開けて、そこに島川選手が突進&突破してトライ成功というパワープレイもあったし。
体力の問題もあるし各選手の経験を積ませたいのもあって、それぞれフル出場はしてないけど、もう一人の3.0ハイポインター青木選手がまだ10代の若い選手で、経験積んでる段階っぽいなあ…というのが見えたので、島川選手は結構出場機会が多かったかも。島川選手、大ベテラン(堂々のアラフィフでおられる)で、青木選手と30歳差だったりするんだが。それであのパワー…。
ドイツは逆に、3.5のハイポインター、背番号1のHerbst選手と、2.0で明らかにポイントゲッターになってた背番号5のWilke選手がほぼフル出場じゃないかな。女子選手もいれば0.5のローポインターのRiedel選手は50overの大ベテラン(でも終盤に凄い上手いブロッキングしてた)もいて、なかなかに多彩。
試合はややドイツ優位に動いていて終盤まで1、2点リード(この競技は交互に点数が入ることが多いのでこんな書き方)だったのだが、最後の最後に日本がドイツのパスをカット、ターンオーバーして同点に追いつき、書き手も初めて拝見する3分の延長戦。
延長戦もドイツが優位で終盤1、2点リード、ここでクラブチーム選抜がトライを決めれば同点、のところでドイツ側のゴール前の守備が硬くてクラブチーム選抜のパスが通らず、得点できずにドイツが逃げ切り。
クラブチーム選抜も「上手い試合の動かし方」を実現しようとして結果的にできなかった、という感じではあった。この辺は色々試しているっぽい感じもしたなあ。


で、決勝戦という扱い、1位の日本vs2位のブラジル。
ブラジル代表を確認したら、明らかに見た目モンゴロイドな方が。タニグチ選手となっていたので明らかに日系ですな。2.5のミドルポインター、最初の方は出場していた。
ただ、ブラジルはすぐに、3.5のLIMA選手とARAUJO選手を入れてくる布陣に。この3.5のハイポインター2選手、明らかにフィジカルが強そう。スピード凄い。ただ、3.5のハイポインター2選手だと、あとの2選手が0.5しか入れられない。
ブラジルは女子選手もいないしなあ…。ローポインターがほぼ空気状態になってしまっていた。
0.5のローポインターだとボールを投げる力が弱いので、相手のゴール後に、自分のゴール裏(正確にはトライラインより外)からスローインする際、どうしても他の選手が近くで受け取らなきゃいけないため、そのパスを上手くカットしてそのままゴールする、という橋本選手の鬼の所業を拝見するなど。
あと、車いすラグビーは時間制(8分×4)なんだけど、チームで時間管理をして、「最後に自チームがトライをして終わる」という風にするチームが多いのだけど(こういうの、ハンドボールであるので結構馴染む)ブラジルは全くそれをやらない。脳筋イケイケな感じで、それはそれで面白い。
日本は今回若手中心ということで、22歳の3.5ハイポインター橋本選手が中心に。
それ以外はかなり流動気味に。3.0の池崎選手や白川選手のどちらかが入ってきて、ローポインター1.0と0.5とか、あとは1.5と0.5F(=乗松聖矢選手と倉橋選手)とか。
橋本選手以外を2.0の中町選手と壁谷選手を入れて、あと0.5を入れるパターンとか。
橋本選手を外して3.0の池崎選手と白川選手が入って、あとは1.0を2選手とか。
パターンがとにかく色々。
でもって、ローポインターの持ち味もかなり生かしてるんだよねえ。
コート内へのスローインを行った後に3.5の選手が入ろうとしたら、その前に立ちふさがって、コートラインと自分で相手を挟んで完全に抜けられないようにロックしてた0.5の長谷川選手とか。0.5だと安藤選手も倉橋選手もブロッキングが本当に美味い。0.5Fの実質ゼロポインター倉橋選手が、相手の走路を上手く邪魔する位置を読んでブロック入ったりする。
ちょっとポイント高めの乗松聖矢選手は、3.5の2選手をブロッキングしてたし。どういうこと。
攻撃で驚いたのは1.0の小川選手。橋本選手が自ゴールのスローインでロングパスを見せた、と思ったら、小川選手がそれを走りながら受け取ってそのままゴール。1.0だと手首が上手く動かせなかったりで、キャッチ自体も難しいはずなんだが…。スピードも1.0とは思えないぐらい。元々モトクロスの選手だったそうなので、基礎能力が違うのかもしれないが。
これだけローポインターが頑張ってくれると、ハイポインターも生きる。
ブラジルがフィジカルガンガンなタイプだったけど、橋本選手も全く引けを取らず。凄いフェイント的な動きも入れてくる。
池崎選手は橋本選手ほど細かく動けないけど(3.0だしね)走路のコース取りが非常に上手いイメージ。ベテランの経験が為せる技なのか。
まだ白川選手は経験値が低いのかな(元体操選手でNHKで取り上げられたりしてた)、持ち味を出すところまではいっていないかも。これからですな。
試合自体は、日本が10点以上差をつけて勝利、優勝。相手のフィジカルが強い&脳筋プレー時間管理をしないでゴールするので点の取り合いにはなったけれど、要所で日本がターンオーバーさせたりして、点差を広げていった感じ。


恐らくは優勝よりも、経験自体が財産に。
どのチームもそれぞれ収穫があるといいなあ。

*1:3.0+2.0+1.0

*2:正確にはトライラインの前のキーエリア付近だけど、多分この方が伝わる