日常ツバメガエシ

スポーツ観戦好きの諸々スポーツ話

2日前の話題の続き

2日前の陸上競技選手の学生・実業団二重登録問題。コメントも頂きまして(toshi0630様ありがとうございました)、返答に長くなりそうだったので仕切り直し。
さて、じゃあ他の競技の学生・実業団の二重登録はどうだったっけか、ということを、自分の知ってる範囲でつらつら書いてみる。
まずは、今回の陸上競技を含めて個人競技
フィギュアスケート:2日前の記述通り。付け加えるなら、トップになればなるほどお金がかかるので、スポンサーとして企業がつかないと厳しい。そういう意味では、アマチュア選手と言えども他スポーツではプロ生活のような感じがする。フィギュアスケートのプロ選手=アイスショーを生業にし、通常の競技会に出られないという意味なので、若干、他スポーツとプロの意味合いが異なる印象。
その他冬スポーツ(知識がないのでまとめ):学生・実業団の二重登録の話は私は知らない。ただ、トップアスリートでいわゆる「通常業務」についているとも知らないなあ。少なくともアルペンスキーのトップは業務についているとは思えないし(ブログ読む限り)。で、環境にしろ道具にしろ、冬スポーツは特殊なことが多いから、お金がかかる気もする。そのせいなのか、受け入れる実業団に乏しい。自分で無理やり売り込んだスピードスケート笈川選手とか、五輪7位になってるのに卒業後すぐに所属が決まらなかったアルペンスキー湯浅選手とか。
柔道:高校・大学と実業団の二重登録は聞いたことがない。が、大学院と実業団の二重登録は、相当数の例あり。有名な例なら谷・野村・井上康生選手。そもそも、「大学院で指導者の勉強をすることを奨励する」実業団もあるぐらいだ*1。ただし、そういう選手は大学生の大会には出場しない。大学生の大会には恐らく回数制限があるんじゃないかと思われる(どこの競技でもそうだろうが)。なお、「通常業務」があるかどうかは所属実業団によってピンキリ。トップだから全く業務しないかというと、そうでもないみたい。練習場所も実業団主体の人もいれば(三井住友海上なんかはこっちか)、母校の大学主体の人もいるし、そもそも出稽古もあるし。
レスリング:綜合警備保障の柔道選手の勤務が「通常フルタイム勤務選手」と「全く勤務しない選手」(契約社員らしい)の2種類あるようなのだが、同じように綜合警備保障がチームを持っているレスリングも、たぶんそうなのかなあと推測。吉田選手の練習拠点は中京女子大のままだった気もするし。たまに「大学研究生」という所属の選手がいるが、彼らは本当に企業からはお金もらっていないだろうなあ。まあ、レスリングは元々アマチュアとプロの境目が曖昧、というか親和的な気もする。
体操:高校・大学と実業団の二重登録は聞いたことがない。が、大学院と実業団の二重登録は例あり。冨田・鹿島選手は有名。こちらも柔道と同じく、大学生の大会には出場せず、社会人の大会にはその分出場している。基本的に社会人選手は「通常業務」してないんじゃないかなあ。なお、元は院に通っていた冨田・鹿島選手の練習拠点は院(母校の大学でもある)のはず。修士課程はそろそろ終わってると思うのだけれど、さて今はどうなんだろう。
陸上競技:上記の競技と比べて違うなあと思うのは、インカレにも箱根駅伝予選会にも「大学院」のチームが出場している事実。たぶん回数に制限はあるとは思うのだが。で、長距離に限れば、最悪道路でも練習できるという環境の手軽さがあるせいなのか、所謂「市民ランナー」という存在もある。で、どうやら、実業団登録は各地方で登録すれば、特に企業で専門に陸上競技を練習していない選手でも、どうやらできるっぽい。逆に、陸上競技部として活動している企業に所属している選手の場合、やはり「通常業務」を行うかどうかはピンキリ。だから、今回の話で私が気にしていたのは2点。

  1. 一般就職している市民ランナーで、勉強目的で院に社会人入学しているような選手がいたとしたら、その人の実業団大会の出場はできなくなるのではないか
  2. トップアスリートである程度金銭的に余裕があって、指導者、もしくはアスリートとしての勉強目的で院に入る(柔道や体操で行われているようなこと)のが不可能なのではないか

なお、件の小林選手の場合だが、

  1. あくまでもメイン練習場が実業団の練習場である
  2. 大学名を考えると、大学で充実した陸上の練習ができるかどうかが疑問
  3. 学業をちゃんと行っている(ようである)
  4. 学校(岡山)と練習場(神戸?)が離れているので、交通時間がとられる上に、講義の間に練習するのが難しい
  5. 同じ実業団チームの他メンバーが、フルタイムで仕事しているかは疑問

以上の理由により、他の実業団所属選手と比較して、練習時間に大差がないと予想される。
個人的には、大学or社会人のどちらかに所属を絞り、どちらかしか出られない、という選択制でいいんじゃないかと思うのだが。企業がそういう選手を受け入れるかどうかは、企業側の問題だろうし。むむ。ちょっと詳細な情報待ちな部分もあるので、少々静観。

一方、団体競技…と言ってもバレーボールだけの話。例の個人登録の問題により、個人がどのチームに所属するかと、所属チームがどの団体に所属するかの二通りある気がする。
個人が別チームに二重登録:toshi0630様より頂いたコメントを考慮すると、たとえば、実業団の大会に出る時は実業団、高校の大会に出る時は高校、ということになる、のかな。個人登録制度で、いちいちその個人の所属チームを変更する必要もあるのかなあ。ただ、気になるのは、クラブチームをかけもちしてる選手が(特に市民レベルだが)結構いる気がするのだが、そういう人はどうなるかも気になる。双方の所属で合意が取れればいい話なのか、個人登録制度的にはどうなるか。ただ、団体競技で個人が二重登録したとして、どちらでも練習するとしたら、チームプレーはあんまり上達できないのかなあ、とは思う。
チームが別機構の試合に二重登録TUVが結果的にそうなっている例。ルール的には何の障壁もないらしい。大学現役生を使用するってことは、他実業団としては、「ずるい」と思ってるだろうなあ。バレーボールに関しては、練習量に明らかに違いがありそうだから。が、他大学チームとしては…今回の春季リーグを考えると、もしかして歓迎すべきことだったのかもしれない、と思ってしまった。大学生チームとしては、冬の時期は新チームでのコンビネーション練習を行わないと、翌春が凄く辛いはず。今季のTUVは、前季の地域時代はともかく(実力差が明らか過ぎて、悪く言えば片手間に試合できた)、V1時代は期間も長ければ移動距離も長く、その分練習時間も減り、更に全力(大学現役選手あり、今春でいなくなってしまう四年生も一緒)でやらないといけなかったと考えると…それで、春季の新チーム作成に影響があったんじゃないか、ふと思わなくもないのである。

あくまでも1ファンが見た上での考察にしか過ぎないので、御意見御感想苦情等ございましたら、コメントにてお願い致します。とりあえず、こういうの仕事中に考えてるなって話もあるが。今、丁度手が空き気味なもんで(言い訳)。