日常ツバメガエシ

スポーツ観戦好きの諸々スポーツ話

天皇杯3日目(その1)

毎年、五輪代表が決まるとなると土日は混雑が予想される。ただ、だいたい朝9時にたどり着けば(試合開始は9時半で、一般客はあまり最初の試合開始前には来ない…)それでも席は確保できる。が、今回は全く席が空いていなかった。一般客が多いのではなく、選手関係者の席確保だけで一杯…(遠い目)大学レスリング部の部員さんが割と多めに席確保している可能性もあるんだが、それよりも、社会人で続ける選手が、チームがある就職先ではなく、個人で就職先と契約して(アスナビ採用も割とよく聞く話だ)、該当選手の応援が団体で来て、その分の席確保が増えている可能性があるなあ、と。一応、駒沢体育館はアリーナ席を一般客が入れない企業応援席にしていて、それなりに企業を割り当てているのだが、やっぱり限度があり、本来は一般客が席として使える席が企業応援で使用せざるを得ない状態。個人的には、選手が社会人でレスリングを続けられるのは良いことだし、企業が応援しに来ることも本当に良いことだと思うのだが、それでも1選手で1ブロックぐらいの席確保をされる(1日何試合もあるので、社会人野球のような応援席入れ替え制も難しい)と、ある程度広い会場だとしても埋まってしまうよね…。
というわけで、書き手は9時半前からずっと立ちっぱなし、座れたのは(某企業が応援が終わって席を空けてくれたため)15時半。6時間立ちっぱなし。普段デスクワークなのでしんどいねえ…。

長い前置きは以上。以降の試合話は、前提知識を置いて。
morina0321.hatenablog.com
この記事はこの日からの階級(準決勝まで)。結果は日本レスリング協会サイトより。

  • 女子50kg級(パターン4)。準決勝の結果はもう、勝負の結果だから仕方ない、よね…。
  • 女子68kg級(パターン3)。土性選手が準決勝で敗れる。つまり、この大会の後に代表決定プレーオフ発動決定。ひい。その代わりに決勝に来たのは、土性選手を破った森川選手と、松雪成葉選手。古市選手はこの階級ではちょっと難しかったか…。
  • 男子フリースタイル57kg級(パターン4)。初戦で長谷川選手が大学後輩の新井選手に敗退する、ちょっとした波乱。圧倒されてしまったのがね…。高橋侑希選手は流石に貫禄の決勝入り。というか…正直、試合の入り方が凄かった。気合入りまくってて先制攻撃みたいな。初戦が小柳選手で(この籤運もアレだなあ…)流石の小柳選手、逆襲したんだけど、結局反撃してそのままフォールするんだもの…。そして、もう一つの山には、樋口選手が。来たか…。正直、一番心配だったのは減量ではあったんだけど。元々57kg級から体重あげたの、減量がきつかったからだし。樋口選手は割と苦労して上がってきた感じか。まあ、藤田選手は61kg級でバリバリやってた選手だし、大学後輩の山口海輝選手も高橋侑希選手に迫る実力の持ち主だしね。ただ、樋口選手はやっぱり非常に粘っこいよねえ…。多少タックル入ったのが浅くても、力でテイクダウンもっていくもんなあ…。
  • 男子フリースタイル65kg級(パターン3)。片方は流石に「優勝したら五輪代表」の乙黒拓斗選手が上がってきたんだが、実は今回、テクニカルフォール1つもとってない。まあ、嶋江選手相手だと流石にそれもありかとは思うんだが、初戦の日体大・堤選手がタックルを警戒してたのか、全然入らせなかったのが印象に。乙黒拓斗選手が初戦で固かったのかもしれないけど。もう一方の山は、中村倫也選手が上がってきた。初戦は高校生の萩原選手相手に僅差だったのだが、その後はガンガン。鴨居選手からフォールはお見事。個人的には嶋江選手vs米澤圭選手とか(これが初戦はきっついよなあ…)、安楽選手vs阿部選手とか、長く見ていて印象に残っている選手の試合は気になったし、面白かったし。
  • 男子フリースタイル74kg級(パターン3)。「優勝したら五輪代表」の奥井眞生選手…が…初戦で散った…(遠い目)というかね。なんで三輪選手と初戦なのかと。どんな籤運よ。三輪選手は乙黒圭祐選手相手に準々決勝で敗退したけど、これも本当に僅差だったしなあ。で、その乙黒圭祐選手が片方の山をあがってきた。準々決勝は三輪選手で、準決勝は保坂選手だから、全く楽な勝ち方はできないけれども。観ている方としては激戦で楽しいんだが。そしてもう一方の山は、高谷大地選手が上がってきた。74kg級に階級を上げて。高谷大地選手って(御本人も仰ってたが)お兄さんと違ってタックルが切れるタイプじゃない。戦い方的には、樋口選手とよく似ている。粘っこく、掴んだら離さない。執念の粘りというか。今回の試合はずっとそんな感じで、全試合テクニカルフォール。それで準々決勝で藤波選手を、準決勝で基山選手をねじ伏せてきたんだから恐れ入る。ちなみに、準決勝ではいつもの通りお兄さんが片隅に観に来ていた。お兄さんも試合前のはずなんだがなあ…。これで決勝はお兄さんvs弟さんという対決に。さて。74kg級は五輪代表のチャンスがあったので、実は70kg級から、志賀選手や瀬野選手が階級を上げてきていた。が、どちらも初戦敗退。まあ、なかなか難しいよね…。瀬野選手は相変わらずグレコローマンっぽい動きで、反撃はしてたんだが、相手の横山選手に反撃フォール喰らっちゃった。
  • 男子グレコローマン67kg級(パターン4)。組み合わせを見て最初に思ったのは、なんで太田選手は初戦に井ノ口選手とか籤引いちゃうかなあ、だった(あ)しかも次の試合が高橋昭五選手の可能性が高かったし。また酷いところに入ったものだ。で。グレコローマンって日体大関係者が多いので、恐らく日体大的な戦い方をする相手だったら、太田選手は有利だったのでは、と思う。井ノ口選手って高卒即自衛隊なので、ちょっと動きが違う。なんというか、急に大技が出てくる。カウンターなのかも。イメージ的には、72kg級の富塚選手に近いなあ、と。で、いきなり4点とられて焦って、立て直そうとしてカウンター喰らった、なのかな。日刊スポーツの記事を見る限り。太田選手が何もできないままハマって敗退、というのは、個人的も観た覚えはあまりないなあ。それこそリオ五輪の決勝ぐらいじゃないか。で、その井ノ口選手をなんとかいなして(井ノ口選手が太田選手撃破するほどのっていた、のはあると思う)、高橋昭五選手がこの山を勝ち上がってきた。準決勝は遠藤選手を圧倒したんだけど、その遠藤選手も2試合テクニカルフォールだったんだけどね…。で、もう一方の山は、下山田培選手が勝ち上がってきた。実はこの山、初戦で60kg級から階級を上げてきた清水早伸選手が、初戦で同門の上垣選手に僅差で敗れていて。上垣選手はその後テクニカルフォール2つでいい感じで準決勝まであがってきたのだが、それを下山田培選手がテイクダウンにして2点、そのままグラウンドから5点投げ(!)どーん、そこからフォール。…いやあ、本当にハマると綺麗な投げだ…。これが観られるから好きな選手、なんだけども。下山田培選手はこの日は失点ゼロ、テクニカルフォール2つにフォール1つ。文句のない試合運び。まあ、初戦が川瀬選手で、個人的な心情としてはとても微妙だったけれど。とはいえ、試合が終わった時に抱擁してたりしてるから、そこは大学の同門(川瀬選手が1つ先輩?)なんだろうなあ、と一人じたばたしたりはした。ちなみに、川瀬選手は初戦(予備戦)が河名真寿斗選手相手だったという。これもなかなかアレな籤運…。
  • 男子グレコローマン77kg級(パターン4)。片方の山は屋比久翔平選手が勝ち上がり。とはいえ、準決勝の相手は72kg級からあげてきた井上智裕選手。屋比久翔平選手ってテクニカルフォール多い選手だけど、流石に井上智裕選手相手には決めきれなかった。それでもパッシブでのパーテールポジションから2回ローリングさせて点を重ねたけれども。実は井上智裕選手も、初戦が前田祐也選手。お互い長年やってきているし特徴ある選手だし、なんでこんな当たりかなあ、と思わなくもなかった。もう一方の山は櫻庭功大選手が勝ち上がり。準々決勝では自衛隊同門、そしてなんとも気の毒な目に遭った阪部選手を倒した。これもこれで…阪部選手のことを考えたら、なんとも辛いよね…。準決勝では泉選手をテクニカルフォール。泉選手も反撃はしてたんだけどね。ところで。泉選手のセコンド補助に、しれっと入っていた田野倉先生がいらっしゃったりしたが。いやまあ、お友達のセコンドは喜んで受けるよね、うん。更に準決勝では、セコンドに松本隆太郎氏、セコンド補助に田野倉先生という。泉選手ずるい(おい)松本隆太郎氏は、たまたま教え子の試合がなかったんだろうけど。ちょっとびっくりした。教え子が大会出まくりで、結構手一杯だものね。